先日Google翻訳において、ウクライナ語からロシア語へ翻訳すると「ロシア連邦」が「モルドール」と訳されてしまうといった誤りが発生していたそうです。
「モルドール」は小説・指輪物語で登場するサウロンが支配する国で、2014年にロシアがクリミアを併合して以降、これに反発する一部のウクライナ人の間でロシアを示す表現として使われていたそうです。
また同じように、ウクライナ語からロシア語への翻訳では、「ロシア人」と入力すると「占領者」、ロシア外相の姓「ラブロフ」を入力すると「悲しいお馬さん」といった意味の翻訳結果がアウトプットされていたとのこと。
Google翻訳は自動翻訳であり、膨大な数の文書データからパターンを調べることで翻訳結果に反映させているが、文脈に合った単語の意味を見つけることはまだまだ困難です。
自動翻訳は便利で手軽な半面、間違った翻訳結果や、SVO等の構文はしっかりしていても内容が全く意味不明になることも多く、それを仕事等で利用すると思わぬ誤解を生むこともあります。
この先自動翻訳機能がいくら発展しても、人間による翻訳の必要性はなくならないと思います。
共存して、お互いが高め合う相乗効果を生むのが理想です。
もしも人による翻訳が必要ない時代が来たならば、それは皮肉にも人間が使用する言葉の表現が単純化、つまり表現力が乏しくなったということの裏返しのような気がします。
人間が翻訳したものは文字や文章から何か温かさを感じます。
コンビニのおにぎりの方が美味しさは勝っているが、人の握ったおにぎりは握った人の温かみも味わっている感覚になるように。