掲題の件で興味深い書き物がありました。
最初に申し上げると、以下文中最後の段落に出てくる『構想』の部分の見方には弊社として少々疑問が残ります。
つまり、忘れてはならないのが、述べられているようなビジネス(経済)や政治、外交、留学などという、何か自分にとって利益になるような目的でロシア語を学ぶ人以外に、単純に趣味としてロシア語を学ぶ人が非常に多いという現状です。
それは弊社がロシア語教室としてこれまで多くのお客様を見てきて強く感じることです。
好きだから学ぶ、興味があるから学ぶ。ただそれだけ。
それこそ理想で、人間味があって、本当の国際交流につながっていくのではないでしょうか。
これはロシア語に関わらず他の言語にも言えることです。

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なぜロシア語を学ぶ必要があるのか。

旅行:
ロシア語は世界で3億人の人々が使用している。その大多数が15の旧ソ連国に住んでいる。

調査・研究:
ロシア語は、生物学、数学、地質学、物理学、化学の学街論文で二番目に多く使われている言語である。

インターネット:
ロシア語は、インターネット上で二番目に多く使用されている言語であり、全体の6%を占めている。

世界文化の知識:
パレ工、劇場、映画、文学、音楽、視覚芸術の分野において、すぼらしい伝統をもち、今もなお傑出した人材を輩出し続けている。

世界的大事件の理解:
ロシア語は、世界言語であり、国際連合で公用語ひとつとして採用されている。国際連合の全ての資料はロシア語に翻訳されている。

専門コミュニケーション:
例えば、有名なチェス選手は、最低でもいくつかのロシア語(主にチェス文献を
続むため)を知っている。宇宙飛行士についても同じことが言える。国際宇宙ステーションでロシア語を使わなければならない。

ロシアで学ぶ:
国際ロシア語オリンピックの優勝者は、入学試験を受けずにロシアの大学に入学することができ、国からの補助で授業料が無料になる。

ビジネスの立ち上げ:
ロシアは世界最大の石油、ダイヤモンド、金、鋼、マンガン、ウラン、銀、白金、グラファイトの生産国の一つである。

留学:
欧米ではロシア語を知っていることは極めて珍しい。医科大学、ビジネススクール、ロースクールに出願する際に有利に考慮される。

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また、ロシア語教室の弊社としては少し気になる記事もありました。
それはロシア語への関心が低下傾向にあるかもしれないということ。
ロシア語を習得している人口は世界で2億6千万を超え、この点では世界第5位。
しかし、20世紀末に「一連の国と地域で(その国民の大半がロシア語を母語とする国を含む)、ロシア語への関心の低下と、それが用いられる分野の縮小という、由々しき傾向が現れ、続いている」という指摘があるようです。

一方、2015年11月4日に政府で承認された構想では、海外でのロシア語の維持、普及に関する施策があります。
任意の言語の外国での需要と普及の度合いは、その国家の世界における権威および影響力を示す最重要指標であり」、従って「ロシア語は、ロシアの戦略・外交上の利益を実現するうえで、主要な手段の一つとして捉えられなければならない」とのこと。